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マルチプル法(4)-1

今回は実際の企業の企業価値をマルチプル法を用いて算出してみます。

対象会社は、サントリーとしてみました。

サントリーは、ビール、ウィスキーをはじめとするお酒関連及びお茶やジュースなどの飲料などを製造・販売する会社です。

この会社は、非上場会社なのですが、ホームページには決算情報が開示され、財務情報が取得しやすいことから、この会社を選んでみました。

【手順1:類似企業(上場会社)の選定】

サントリーの直近の決算期(2007年12月期)の連結売上高は約1.5兆円です。

または、サントリーの事業はビールなどの”酒類”、飲料、加工食品などの”食品”、そしてそれ以外の”その他”の大きく3つの事業に分かれており、事業規模(全体の売上高に対する割合)はそれぞれ、54%、37%、9%(2007年12月期)となっております。

以上のことから、上場会社でビール等の酒類をはじめとする飲料会社で、サントリーと同規模の会社となると、必然的に絞られて来ると思います。

ということで2社を類似会社として選定しました。

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マルチプル法(3)

マルチプル法による企業価値算出の手順について、説明いたします。

手順1:類似企業(上場会社)の選定
手順2:類似会社の直近決算期の財務情報を取得
手順3:手順2からマルチプルデータを取得(EBITDA倍率、PBR、PSRなど)
手順4:マルチプル(倍率)を対象会社のデータに適用
手順5:マルチプル法による企業価値を算出

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マルチプル法(2)

マルチプル法での企業価値算出方法は、マーケット・アプローチの代表的な算出方法です。

マーケット・アプローチとは、評価対象企業(もしくは事業)に対し株式公開企業と比較して評価額を算出する方法のことで、評価対象企業は非上場会社が一般的です。

そのマーケット・アプローチによる代表的な評価方法は、マルチプル(Multiple)法です。

前回も記載しましたが、マルチプル法のメリットはなんと言っても算出がDCF法に比べて簡単にあることです。

これは何を意味しているかと言えば、対象会社の企業価値の水準を知るためだけであれば、この方法を用いればいいということです。

例えば、自社の経営指標として企業価値、事業価値を定め、それを継続的にモニタリングするためにこの方法を使用して価値を算出したり、M&Aによる対象企業の価値算定のときも、大体の価値水準を把握するために、価値評価の初期段階で使用されることが多いです。

それでは、どんなマルチプルを使用すればよいでしょうか。

通常使用される主な指標値は、EBITDA、PER、PBR、EBIT(営業利益)などで、基本的にはいくつかの指標値を用いて企業価値を算出し、大体の幅(水準)で価値を示すことになります。

具体的な、マルチプル法による算出手順は次の5段階に分かれます。

  ①類似企業(上場会社)の選定
  ②類似会社の直近決算期の財務情報を取得
  ③②から、マルチプルデータの取得(EBITDA倍率、PBR、PSRなど)
  ④マルチプル(倍率)を対象会社のデータに適用
  ⑤マルチプル法による企業価値を算出

次回は上記5段階の説明を行いたいと思います。

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マルチプル法(1)

マルチプル法(倍率法)は、企業価値を算出する上で、その対象会社の類似会社(上場会社が多い)の指標(例えばEBITDA)に着目し、類似会社の指標と企業価値(株式価値)の比率を対象会社に乗じることによって、対象会社の企業価値を算出する方法です。

DCF法は、将来キャッシュフローの予測や資本コストの算出など、企業価値を算出するまでの仮定がかなりあり、また頭を使うことが多く、算出するまでに時間を要します。

しかし、マルチプル法では、面倒くさい作業はそれほどなく、類似会社の情報がそろっていれば10分程度で算出できてしまいます。

したがって、M&Aでの現場では、対象会社のおおよその企業価値を算出する際によくマルチプル法が利用されます。

というのも、基本的にM&Aの初期の段階では、対象会社の会社名や詳細の情報は伏せられた形で打診されることが多く、その時点で企業価値を算出しようとも、DCF法では情報が足りず、企業価値を算出することができません。

そこで、マルチプル法がその場合によく利用されることになります。

一言でマルチプル法といっても、いろいろな指標を組み合わせて、使用することが普通です。

そして、最終的にはDCF法にて企業価値を算出し、そしてマルチプル法での企業価値と組み合わせて対象会社の企業価値を判断します。(M&Aの世界では、最終的な企業価値の判断は、買い手、売り手との交渉で決まります。)

次回具体的な算出方法についてご説明いたします。

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