DCF法とAPV法の関係(1)
DCF法で算出する企業価値とAPV法で算出する企業価値は、時価の有利子負債・株主資本比率で測定したレバレッジが一定の場合等しくなります。
そのことを数学的に証明したいと思います。
ここでは、証明を簡素化するために、有利子負債と株主資本については、キャッシュフローは一定、つまり成長率はゼロという前提とします。(時価の有利子負債・株主資本比率で測定したレバレッジが一定から)
Dを有利子負債の時価価額、Eを株主資本の時価価格とすれば、V(企業価値)は次にように表すことが出来ます。
V=D+E
この式を変形させ、DCF法での算出結果とAPV法での算出結果が等しいことを証明します。
【DCF法】
まずDCF法での算出結果を導くことにします。
V=D+E
の左辺に
(=1)
CFd : (有利子負債の)債権者に帰属するキャッシュフロー
CFe : 株主に帰属するキャッシュフロー
t : 税率
をかけると
・・・(1)
kd を有利子負債コストとすると、CFdは一定であるとする前提条件から
成長率はゼロとして
CFd = D / kd
で表すことができ、
kd = CFd ・D ・・・(2)
となります。
同様にke を株主資本コストとすると、CFe は、
CFe = E / ke
となり、
ke = CFe ・E ・・・(3)
となるので、(1)式に(2)式、(3)式を代入すると、
有利子負債にかかるキャッシュフローは支払利息のみと仮定すると、
CFd = 利息
また、CFe は、EBIT-利息-税金-純投資額で表すことができるので 、
V={利息(1-t)+EBIT-利息-税金-純投資額}/WACC
=(利息-利息・t+EBIT-利息-税金-純投資額)/WACC
={EBIT-(税金+利息・t)-純投資額)/WACC
ここで、EBIT-(税金+利息・t) の(税金+利息・t) は、企業がすべて株式で
資金調達した(有利子負債がない)と仮定したときの
税金(法人税+支払利息の税効果)であるとみなせることから、
EBIT-(税金+利息・t) =NOPAT
となり、また、
NOPAT-純投資額は営業キャッシュフローであったことから、
V=営業キャッシュフロー/WACC
となる。
<次回に続く>
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